3Dスキャナーの未来・ここまで進歩している3Dスキャン技術を事例で紹介

センサーを使用して立体形状をキャプチャする3Dスキャナー。3Dスキャナーは未来の技術だと思っている人々も少なくありませんが、実はかなり歴史のある測定技術です。3Dスキャンの技術は現在、大きく進化していて、多くの人々が考えていた「未来的」な使い方が現実のものになってきています。

3Dスキャナーの未来

3Dスキャナー

センサーを使用して立体形状をキャプチャする3Dスキャナー。3Dスキャナーは未来の技術だと思っている人々も少なくありませんが、実はかなり歴史のある測定技術です。3Dスキャンの技術は現在、大きく進化していて、多くの人々が考えていた「未来的」な使い方が現実のものになってきています。
この記事では、3Dスキャナーの利用が広がっている分野についてご紹介すると共に、3Dスキャナーの活用事例を紹介し、未来の3Dスキャナーの姿を紐解いていきます。

3Dスキャナーの活用が広がっている分野

3Dスキャナーは元々、もの作りの世界で利用され、他の分野でも使われるようになりました。自動車製造業界は、3Dスキャンの技術がいち早く導入された業界です。その後、レーザー光を使うスキャン技術の登場により、巨大な物体も測定が可能になり、重工業等の分野にも導入されました。現在、テクノロジーの進歩と共に、3Dスキャナーが活用されている分野はさらに広がりを見せています。このような動きを知ることは、3Dスキャナーの未来像を知る手がかりにもなります。

製造業・重工業

製造業や重工業は、3Dスキャンの技術により大きな恩恵を受けた分野です。当然ながら、現在でも3Dスキャナーが活躍している分野…というよりは、3Dスキャンの技術がなくてはならない分野だと言えるでしょう。
部品の製造においては、すでに生産ラインが停止している製品の部品でも、部品をスキャンすることで製造することが可能になっています。このような部品は需要もそれほど多くないことから、3Dプリンターによる生産も行われており、次にご紹介する航空業界や宇宙開発といった分野でも、3Dプリントによる部品生産が行われています。

航空業界

3Dスキャナーは、航空業界にも取り入れられています。3Dスキャナーは現在、機体の構造やシステムの問題点を把握するために使われています。また、新しい機種を製造する前に、3Dモデルとして組み立てることで、問題になりそうな箇所を事前に予測し、対応策を練ることが可能になります。すでにご紹介した通り、退役した航空機のパーツなどニーズの少ないパーツの生産も、3Dスキャナーや3Dプリンターを使用することで、低コストで行えるようになっています。

医療

医療の世界において、3Dスキャナーはかなり以前から取り入れられていました。義足や義手を製造する目的で導入されたものでしたが、この3Dスキャナーの改造版がもの作りの現場に導入されるようになったのです。それ以来、医療分野では3Dスキャナーが利用されているわけですが、現在では義足や義手に加えインプラントの作成にも3Dスキャナーが使われています。

教育・学術分野

教育・学術分野でも3Dスキャナーの活用が広がっています。3Dスキャンにより、動物の動きをデータ化したりモデリングしたりすることが可能なので、研究目的で利用されているのです。蓄積されたデータは、他の分野の研究でも活かされます。

芸術・文化

芸術や文化といった分野でも、3Dスキャナーの活用は進んでいます。特に古い美術品や建築の復元作業には、3Dスキャナーは欠かせない存在になっていると言えます。世界遺産や文化遺産の、3Dデータとしてのアーカイブ化も進んでいます。このような3Dスキャナーの利用法は、未来の住宅建築コストの削減や工期短縮にも利用できるのではないかと考えられています。

3Dスキャナー・未来的スキャン技術の活用事例

3Dスキャナー

3Dスキャナーなどの3D関連技術は新たなレベルに到達しています。これからご紹介するのは、3Dスキャン技術の未来的な活用事例です。これらの事例は、少し前に私たちが夢見ていたことが現実に近づいていることを実感させてくれます。

iPhone XのFaceID

iPhone Xに搭載されたFaceIDは、かなり多くの人に馴染みのある未来的3Dスキャン技術です。このFaceIDは「True Depthカメラ」により、人の顔の3万ヶ所を座標化し、顔を識別する顔認証システムです。こんなにも未来的な技術が、すでに私たちが使っているスマートフォンに搭載されているのです。

iPhoneの3Dスキャナーアプリ

こちらもiPhone関連。iPhoneを使用する3Dスキャナーアプリケーションです。こちらのアプリの未来的なところは、現実に存在する物体を撮影した後、あたかもそれをコピペするかのようにバーチャルの世界に立体として設置できること。3DスキャナーとAR(オーグメンテッド・リアリティ)の融合は、まさしく未来的な3Dスキャン技術の利用法と言えるでしょう。

ぴったりフィットする下着の提案

下着メーカー「ワコール」では、3Dボディスキャナーを使用して、体にベストフィットする下着を提案するアプリを開発しました。3DボディスキャナーとAIを利用したこのアプリは、スタッフと会話するようにAIとコミュニケーションをとりながら、利用者の好みや悩みなどの要素を取り入れながら、ぴったりの下着をおすすめしてくれます。
(参考:https://robotstart.info/2019/05/27/techfirm.html)

足のサイズを3Dで測るシステム

ぴったりの下着をすすめてくれるアプリがあれば、足のサイズを立体的に測定してくれるシステムもあります。こちらはマーケットプレイスとして知られるZOZOTOWNが開発した「ZOZOMAT(ゾゾマット)」。このZOZOMATとスマホを組み合わせることで「足長」「足幅」だけでなく、「足の周囲」や「甲の高さ」「土踏まずの長さ」などを測ることが可能になります。
専用アプリを起動し、ZOZOMAT上に置いた足をガイダンスに従い撮影することで、足の3Dモデルと取り込んだデータがスマホ上に表示されるので、靴を購入する際の参考になるというシステムです。ZOZOTOWNと言えば「ZOZOSUIT」も記憶に新しいところですが、この3Dスキャン技術を使ったZOZOMATは、未来のeコマースにどんな影響を与えるのか注目です。
(参考:https://zozo.jp/zozomat/)

3Dスキャナーを解剖生理学に応用

3Dスキャナーの技術を利用して、脳が発達してきたプロセスや、精神疾患の研究に役立てようという動きも進んでいます。京都大学の下野昌宣准教授らが行った研究では、3Dスキャナーを使用した実験手順「3D-NEOプロトコル」を採用して、摘出した脳をすばやく3Dスキャンすることに成功しました。これまでは、脳の表面にある水分(ノイズ)がスキャンの障害になっていましたが、3D-NEOプロトコルによりノイズを押さえながらスキャン処理することが可能になりました。この技術により脳の活動をいろいろなスケールで分析可能になり、脳がどのように働いているのか、そのシステムの研究と新しい発見に役立つことが期待されています。
(参考:Monoist https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1906/25/news032.html)




3Dスキャナーの未来・まとめ

3Dスキャナーの活用が広がっている分野を紹介すると共に、現在、すでに活用されている3Dスキャナーや3Dスキャン技術の事例を紹介しました。現在、私たちが使用しているスマートフォンでは、3Dスキャンの技術を応用したり、3DスキャンとARの技術を同時に使ったりすることにより、私たちの生活を豊かにしてくれる機能が実装され始めています。未来の3Dスキャナーは、このようにスマートフォン、アプリ、AR、そしてAIなどと連携することにより、さまざまな分野に広がっていくことでしょう。